車・趣味】馴染みとなった、伊豆へ・三章 ~動物の楽園、アニマル・キングダム~
スポンサーリンク
暑い日が続きますが、朝は20℃を切るようになり始め、夕暮れ時は涼やかな風が吹くようになってきました。残暑と言えど、季節はしっかり進んでいるです。
日の短さも相俟って、今年も終わりにゆっくりと、しかし確実に向かっていることを身に沁みて感じている、【やさぐれ紳士】白兎です。
皆さん、こんばんは。如何お過ごしでしょうか。
さて、伊豆の地に降り立ち車の流し撮りを何とか成功させることができた私たちが、束の間の休憩を挟んだ後の話。
こちらも少しずつ恒例化し始めている、動物園で癒やされる旅路。今回も、新しい動物園へ趣きカメラに収めて参りましたことについて、綴っていきます。
尚これ以降の伊豆旅行の写真は、私の愛機が故障してしまったのでたーぼぅさんがお撮りした写真を使っています(ご本人より了承を得ています)。
オリジナリティに欠けてしまいますが、何卒ご容赦ください。
動物の楽園、アニマル・キングダム。自由気ままな草食獣たち
今回案内していただいたのは、伊豆アニマル・キングダム。広大な敷地に数多くの動物が飼育され、その半数以上が放し飼い同然に自由気ままに暮らしている、名の通り動物の王国。
そっぽ向かれてしまいましたが、立派なガゼルから始まり。
反対側からその勇姿を拝みながらも。
別の子は「何奴?」とばかりに警戒し真正面から睨んできます。ただ口からはみ出している餌の若草が口元に。
表情とのギャップが、見ていて微笑ましい限りです。
こちらはエミューさん。雨の後だったので体中泥だらけです。
私たちは動物たちが暮らすエリア上に掛けられた橋の上から撮影していますが、並んだら人間以上の体躯を誇ります。飛べなくなってしまった代わりに発達した脚で蹴られるようなことがあれば……。
そんなことを考えさせられるのも、間近で動物たちと触れ合うことができるからこそ、なのかもしれません。
他にも、動物園の代名詞の一つである、キリンやサイ。
サイのツノは骨がなく、毛が進化し硬質化したものだそうです。
こちらはムフロンという草食獣。牡羊座を表すような特徴的な角を持つ種族で、その期限は定かではないとされています。
カメラを向ける私たちに興味を持ったのか、徐に近付いてきます。眠たげな目ではありますが。
そ、そんな睨むように見なくても……。
更に小型の動物は、別の区画でのんびりしておりました。
ズザー ⊂(゜Д゜⊂⌒`つ≡≡≡
なんとなく、ションボリ?
ウサギやモルモットも、身体を寄せ合う子も、自由に駆け回る子も。身体は小さくても、個性豊かな姿を見せてくれました。
優雅に時を満喫する?肉食獣
ところ変わって、肉食獣エリアへ足を運びます。
肉食獣というと檻の中を忙しなく歩き回りながら、獲物を仕留める眼力、発達した四肢や顎や牙を見せつけ、強さのようなものを誇示する印象が強くあります。
前回の茶臼山動物園でも、縁を結ぼうと励むライオンや吼えるように牙を見せつけたトラに圧倒されましたが、ここではどのような姿を見せてくれるのか。
エリアに踏み入れると……。
顔の筋肉を緩ませ、あどけなささえ感じさせるチーターがお出迎え。
80~130キロの速度で獲物を追いかけ回す俊敏さと脚力を持つ君が、そんな穏やかな顔を見せるのか!?
「あ、どうもはじめまして。君、だぁれ?」
こちらを向く顔も、興味と好奇心に満ちた優しい顔。
ダメだ、ギューってしたくなってしまう。近付いた途端ガブリされるでしょうけど。
いきなり心を射抜かれながら、次に待つのは。
……デッカイ猫?ベロ出てますよ??
開いた片目から威厳を感じますが、オネムですよね?
はい、ライオンさんたちがゆったりお休み中です。寝姿までシンクロしております。
百獣の王の威厳、どこへ置いて来てしまったんだ……。
そして、本動物園の目玉に会いに行きます。
翡翠の瞳を持つ、ホワイトタイガー。間近で見ると、物凄い太い四肢と殺る気満々の目力。
「お主、我が領域に入ることは断じて許さぬ」
この迫力、まさに肉食獣。人間なんて敵う訳がない。
ですが、綺麗に整った毛並みと瞳は、不思議と見入るものがありました。
ここにオオカミもいてくれれば、至福の喜びなのですが。
などと変なことをこれ以上言うと食い殺されそうな気がしたので、ゆっくり手を振りながらお別れします。
地に降りても尚、貫禄を見せる鳥類
動物園で鳥、と言われればフラミンゴとお答えする方も多いかと思います。
動かないまま片足で立ち並ぶ様は、さながら淡い紅色の彫刻の様。
片足で立っているのは疲労などではなく、水辺に多くいる為に両脚で立つと水に体温を奪われてしまう為、それを避ける為に片足ずつ立つようにしているという噂があります。
小さい頃、「片足で立ってて疲れないのかなぁ?」と好奇心と心配が混ざったような感情を抱きながらフラミンゴを見ておりました。
鳥類は太古の昔、絶滅した恐竜の遺伝子を強く受け継いでいると言われ、私たちヒトを始めとする哺乳類や爬虫類から見ても異色の存在です。空を自由に飛べるものもいれば大地での脚力に特化するように進化したもの、海での活動に適するよう進化したもの。様々な進化系がありながら、それぞれ大空を舞う姿に憧れを持たせたり、愛くるしさを抱かせ、時にはヒトを超える頭脳をも持つものもいる。
不思議でありながら、多くの関心を集める存在となっています。
森の賢者と呼ばれ、飛行音を全く出さずに獲物へと忍び寄る夜の狩人。様々な感覚器官を最大限に活用し、頭脳も明瞭と言われている、このフクロウも。
正確にはアフリカワシミミズクという個体のようですが、夜行性のせいからか、何だか眠たそうです。しかしこう見ると、目がかなり大きいです。視力はどれくらいあるのでしょうか。
そんなことを考えている内に、こちらに気づいたようです。「何者!?」と驚いているようにも見えます。うーん、森の賢者とも哲学者とも呼ばれる彼らでさえ、このような仕草を見せるとは以外でした。純粋に可愛いです。
ほんわかしていると、今度は番人に転職したかのように鋭い視線を向けてきます。観察しているのか、分析しているのか。
「……ヒト、か。用などあらぬ、去るが良い」
今度は呆れたような目を向けながら、私たちを見送ってくれました。
表情豊かな子でした。漫画やアニメのように、次々と顔色を変える様子にすっかり心を奪われていました。
親密になれば、もっと違う顔を見せてくれるのでしょうか。
その場を後にし歩いていくと、鳥類エリアという暗幕で覆われた部屋を見つけました。小鳥のような囀りや甲高い声、様々な声が聞こえて来ます。
「また人間ですか。もうすぐ閉園時間ですよ?」
部屋の扉を開けて出迎えてくれたのは、先程のミミズクよりも一回り小さなアフリカコノハズクです。この子は普段から来客と接する機会が多いのか、微動だにせず余裕の貫禄を見せていました。
ミミズクは警戒心が強くなると、近距離では思い切り羽根を広げて自分を大きく見せて威嚇します。
逆に敵に見つからなそうな時は擬態の為に、顔を細くしてやり過ごします。
この子は慣れっ子なのか、我々が近付いても全く動じません。
寧ろ達観したかのような瞳は、どこまでも純粋で、真っすぐで。いつまでも見ていたい気持ちになります。
ですが「帰りなさい、ヒトの子たちよ」と神々しささえ思わせるその姿を前に、私たちは写真を数枚撮るのが精一杯でした。
番外編:クマーの子たち
最後は番外編になりますが、一応名称ではクマと付いている子たちです。
まずはこちら、アライグマ。
「わぁ、人間だ!餌くれよ餌!」
希望の眼差しが、眩しすぎる。両足で立ってせがむかのように、こちらを直視してきます。口元も何気にニンマリ。これは完全にカモられるやつです。
が、私たちが持っているのはカメラ。餌はありません。
すると、どうでしょう。
「なんだよ、餌くんねぇのかよぉ」
目を細めて、涙目になっているかのようにこちらを見る様子は、まるで人間の子どものよう。
心做しか耳も垂れ気味。うわ、そんな顔で見られたら餌をくれたくなってしまう……!可愛いなもう。
すると次の瞬間には、「餌くれない奴なんて、どっか行っちゃえっ」と言わんばかりにそっぽ向かれました。
こんなに愛くるしいのに、特定外来種に分別されていることが心に刺さりました。見た目の可愛さ故に、ヒトの欲望が齎したが為に一方的に除け者扱いされる。
ヒトの醜くさを、考えさせられるひと時でもありました。
最後を飾るのは、堂々と高台に鎮座するこの子です。
エゾヒグマ、その体躯は人間を遥かに凌駕しながら体重は100キロを優に超え、それでいながら50kmものスピードで駆けることができると言われる、日本における陸上生物の中でも最大の動物です。
折の中でも一番高い場所に座し、見詰めるその先には、何が映っているのか。故郷の北海道の景色なのか、それとも。
ここで、まさかの舌を見せながらもスマイルを見せてくれました。強面なので若干引きつるような笑みにも見えますが、間違いなくヒトに教えられたものではなく、自然の笑顔。
生きとし生けるもの、やはり感情のようなものは全ての生き物が持っている。
自然とより共存するように生きる動物たちは、それらが生き生きとし、また眩しい位に輝いていました。
ヒトも、かつては屈託のない笑みを浮かべ続けるような時代が、あったのだろうな。
感傷に浸るような思いで、雨が降り始めたアニマル・キングダムを後にするのでした。
今回は、ここまでにいたします。ご閲覧くださり、ありがとうございました。
それでは、また次回まで。