【車・趣味】まだ見ぬオオカミを目指して ~那須どうぶつ王国・その2~
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来週の気象予報で氷点下が示された為、先日タイヤをスタッドレスに交換し終えました。
本日もユニクロのヒートテックの超極暖というものを初めて購入し、本格的な冬の訪れに備えを着々と進めている【やさぐれ紳士】白兎です。
皆さん、こんばんは。如何お過ごしでしょうか。
那須どうぶつ王国のオオカミの丘、温帯エリアを抜けた私たちは、続けてウェットランドと称される場所へと向かいました。
亜熱帯地帯に生息する動物たちが自由に暮らすそのエリアは、これまでのどの動物園よりも自由で、ある意味混沌ろする場所であることを、身を以て知る由もなく。
それでは、オオカミを見る旅。続きを綴って参ります。
阿鼻叫喚?亜熱帯エリア
やってきたウェットランド。湿地帯を生活の場としたり、熱帯とまではいかなくとも温暖な気候の地に暮らす動物たちが活き活きと過ごすエリアは。
何やら騒がしさのような、叫び声に近い鳴き声があちらこちらで木霊する賑やかさが出迎えました。
鳥、ではない。キーキーという、甲高い鳴き声。
これは、一体?
その正体は、鳴き声だけでなく。動物園と言えば檻、という概念をなくしたこの動物園ならではの魅力でありながら、エリア一帯に阿鼻叫喚の如き混沌を齎すこととなっていました。
その犯人は、動物に詳しくない私でも一発で当てることができる存在でした。
私たちの足元を、目の前の木々を。
来園者たちの背後や前を自由奔放に走り回っているその様を、見てしまったのだから。
無双する犯人
「ドヤッ」
威嚇しているのか存在誇示をしているのか。兎にも角にも、この一帯を支配(?)しているのが、このワオキツネザルたちです。
こう言うと失礼ですが、元々私は霊長類。つまりサルやチンパンジーといった動物にはどうやっても可愛さや惹かれる何かを見出すことができず、基本的に放置やスルーしてきてばかりでした。どの動物園にも必ずいる霊長類には目もカメラも向けず、さっさと通り抜けるのが通例でした。
ですが、今回取り上げるには余りある理由が存在しました。
那須どうぶつ王国は、同じエリア内に数多くの動物が入り乱れ生活する自由と開放感溢れる動物園です。
そのことが、これから紹介する動物たちの中に勝手に入り込み、(実害はなくとも)場を困惑させる様子が多々あり。
失礼ながらも、思わず失笑する場面が多すぎたことにあります。
ワオキツネザルさんたち。もう少し落ち着いても、良いんだよ?
色とりどりの鳥たちと陸上動物たちの楽園
気を取り直して。
このエリアは熱帯エリアの鳥たちよりも活発ではありませんでしたが、それでも各々の本能に従って生きていることを実感させられました。
水辺で悠々自適に過ごすのは、クロエリセイタカシギという鳥。小さくなったフラミンゴのように、華奢で細長い脚で胴体を支えています。
視線を上げると、木の上にはオニオオハシの姿が。胴体並みか、それ以上に大きな嘴が印象的です。
なんとなく、ではありますが。どこかハワイやフィジーといった暑い国を思わせて。
南国の象徴、と思えたのは……私だけ、かな。
それはともかく、存在感がとてつもない嘴です。指を噛まれたら綺麗に無くなってしまいそう。
嘴の触り心地って、どんな感じなのかな……なんて考えている私は、真っ先に喰われそうです。
オニオオハシが更に小さくなって、雀よりも少し大きい位の大きさのアカハシコサイチョウ。白を基調に黒が混ざった黒の羽毛を纏う身体に、真紅とも血色とも見える嘴。
唯の小鳥じゃないぞ、と誇示するかのようでもありました。
視線を地上に戻すと。
珍しい耳の形をと毛並みの色を持つ乙事主……ではなく、アカカワイノシシというイノシシがマイペースに地を踏み鳴らしていました。
イノシシというと茶色や灰色というイメージが強いですが、この子たちはその他の通り(美味しそうな)狐色の毛並みを持っています。
耳も先の毛が尖っていて、まるでネコ科の一部の種に見られる珍しい形をしています。
然れど、性格は穏やかで周囲を気にしないのでしょうか。カメラを向けようがスマホを向けられようが、来園者を見ることなく自由気ままでありながら、ゆっくり動き回っていました。
尻尾を左右に思い切り振っている様を見るだけでも、喜んでいるのかリラックスしているのか。彼ら彼女らも我々も、ほっこりする一場面でした。
来園当初より幾分気分が落ち着き、エリア内をくまなく見渡す余裕ができた頃。
何やら、熱いやり取りが交わされている現場に直撃したようです。
孔雀の雌雄(夫婦、でしょうか?)が頭上に張られた木々の上で、熱い思いを伝えあっていました。
おっと。
見ているだけで火傷しそうな情景が眼前で、躊躇うことなく繰り広げられていました。お熱いところ、失礼いたしました。
鳥類はオスが派手な色合いの羽根を持り、その色合いや威勢の良さを見定めメスが……と言われていますが。
クジャクのメスも、とても綺麗な水色と緑の羽毛に覆われていることを、この時初めて知りました。
オスもメスも、綺麗で美しい。
幼少期に憧れた、クジャク。
その番を、こんなに近い場所で見られる日が来るなんて。当時保育園に通う前後だった私が、想像できる訳がない、と思いながら。
私たちヒトと違って、綺麗だなぁ……。
妙な感傷に浸る程でした。
見つめ合う二羽。
しかし直後。
「待たせたな!」
空気を読まないこいつらが乱入して、すっかり場が冷めてしまいました。
飼育員の方が霧吹きを持って必死に持ち場に戻るよう誘導されていましたが、後の祭り。
雰囲気をぶち壊しても走り回るワオキツネザルたちの奔走ぶりは、思わず失笑ものでした。
大きいネコ?ジャガー親子
放し飼いエリアの途中、何やら人だかりが。スマホを片手にする人々が盛り上がっていました。
何がいるのだろう?と思った矢先のこと。
「こ、こんにちは」
!!!
ジャガーの子どもが、縦横無尽に走り回っている場面に出くわしました。
子どもと言えど、肉食獣の頂点に立つ者。先程の動物たちとは隔離され、狭い檻の中でつぶらな瞳をこちらに向けていました。
なんて綺麗で、優しくて、真っ直ぐ表情なんだろう。
人間の世界なら……腐敗と汚さで塗れた社会を知る前の、好奇心と純粋さで溢れている頃、とでも言えば良いのでしょうか。
実はこの写真は、最初に見かけた檻の隣で撮ったものです。
束縛を絶ち自由を優先するかのように造られた、那須どうぶつ王国。
檻はあっても木々が張り巡らされ、他の区画へと自在に行き来できるよう工夫がなされており、好奇心旺盛な子どもの猛獣もストレスなく過ごせるように設計されていました。
それがこれです。
壁越しにこちらを見ているようで、なんだか、遊び疲れて眠そうな目をしています。
きっと、この後眠りに付くのでしょう。大草原を、誰にも邪魔されずに走り回っている夢を見るのかもしれません。
すくすくと成長して、大人になって。いつまでも元気でいてね。
そんなエールをこの子に送った、その横では。
「騒がしいけど、眠いから煩くしないでもらえない?」
……わぁお。先程の子のお母さんです。
開いた片目だけでも、威厳だけでなく。「これ以上騒ぐなら、わかるわね?」と言わんばかりの威圧。
体勢こそお休み寸前ですが、ネコ科の中でもライオンに次ぐ大きさを誇る体長を誇るジャガー。
……えー、完全に休戦姿勢ではありますが。靭やかな上腕で殴られても鋭い牙と共に開かれ噛み砕かれる顎は、とても人間が耐えられるものではありません。
しかし、何でしょう。強かさで余裕を見せながら、相手を手玉に取ることなど造作もないと暗に主張しているようなお姉様のような気怠さの中に垣間見える強健さとも、凶暴さとも言えるような。
「理屈なんてどうでもいいのよ、人間さん。じゃあ、お休みなさい」
野生の強さ。
それを見せながらも目を瞑る、屈強な精神。
私たちヒトは、備わった力は対して強いものではありません。
その弱さを、発達した頭脳を用いて武器を作り、集団戦という戦術を考案し、今日まで生き永らえて来ました。
私たちとジャガーの親子とは、きっと相見える時はないと思います。
それでも、喩えガラス越しであっても。
こうして向かい合えるのは、現代に生まれ技術が発展したからこそ実現したということを、忘れてはならないと思う瞬間でもありました。
動物園だから、安心して動物たちを見られる訳ではない。
安心と安全を最優先に思慮し、熟考し、来園者に危害が及ばないよう十分配慮を重ねられたのが、今の動物園なのだと。
園内を巡る間にも、グズる子どもや動物を撮影しようとスマホ片手に騒ぐ御仁もいらっしゃいました。
騒ぐ為でも、子どもがグズっても何も言われないのが当たり前だと勘違いしていそうな方々を見て、冷たい目で見据える私がいることを自覚して、思うのでした。
娯楽施設かもしれません。ですが目に見えない所で、沢山の努力が重ねられていることを、忘れてはいけないと。お金を払っているのだからという詰まらない理由で、何をしても構わないと思うのは的外れな考えなのではないか。
オオカミを見る為という身勝手な理由で訪れた私が、そのような妙に堅苦しく冷徹な思いを抱く時間がありました。
束の間ながら、しかし確実に。
さて、亜熱帯エリアを抜けた私たちは、妙な人だかりに出くわすこととなりました。
その理由は、世間では話題になっていながら。ニュースを見ない私には、想像も付かないものでした。
次回、スナネコの赤ちゃん。貴女は犬科とネコ科、どちらがお好きですか?
今回も最後までをお付き合いいただき、ありがとうございました。
それでは、また次回まで。