白兎と雪狼の、果てなき旅路

ドライブやドライブや写真撮影を趣味とし、その他、HSPやAセクシャル、イジメ。精神的・心理的なことについて綴っていきます。

【うつ病・人生】一度、死んだ私 〜痛みから、伝えたい〜

スポンサーリンク

 4月に入り、冬の寒さの名残と言わんばかりに、朝夕寒い日が続いています。

 冷たく、強い風が舞う中。

 暫く雨模様が続く予報を見て、スタッドレスタイヤからノーマルタイヤに交換し終えて、やり遂げた感に浸る一方で。

 雪が降ったら「駅まで行けません」と会社に言い訳しようと企んでいる、白兎です。

 

 

 皆さん、こんばんは。如何お過ごしでしょうか。

 

 

 前書きは程々にしながら、今回は。

 

 前回綴った記事で書き切れなかった、私が罹患し通院を続けているうつ病について。

 

rayleonard-00.hatenablog.com

 

 一度は自分の手で命を絶とうとしたことを契機に。

 この身は、一度死んだと割り切りながらも、それでも生きたいと思って。

 精神科に通い始めて、セカンドオピニオンを通して今の主治医と出会い、今に至るまでのこと。

 そして。

 同じ病を抱える方や、今にも精神が壊れかけている、お辛い方に向けて、私なりの思いと言葉を綴っていきたいと思います。

 

 ※注記※

 本記事は死に関して綴るだけでなく、グロテスクな表現が含まれます。

 この注記を御覧くださり、不快感並びに不愉快さを感じた方は、申し訳ありませんがお引き返し願います。

 ※注記終了※

 

 

 

 

 

 

 

 自らの手を以て、自分の命を絶とうとした瞬間

 

 

 

 

 私はそのまま、凶器を両手で柄を握り締めて。

 まともな食事も摂らぬまま痩せてきていた、腹に押し付けていました。

 久しく研いでいなかった刃は、それでも鋭さを保ったままでした。少しでも力を込めれば皮膚を破り、肉を簡単に突き通して。

 内蔵まで、抉ってくれるだろう。

 

 このまま思い切り突き刺せば、食べることにも、眠ることにも。

 人間関係にも疲れて、生きることに対して全てを投げ出していた私に、安楽を齎してくれる。

 死という、絶対的な安寧を信じて。

 

 

 思えば。

 あの時、急所にならない腹に刃を突き立てるのではなく。

 

 喉元に、死への渇望のまま穿っていたのなら、結果は変わっていたのかもしれないな。

 

 などと面白くもない思いを、今は抱いています。

 

 

 一度死を享受したはずだった私は、どうしてか。

 腹に当てた包丁を戻して、聞き手に持った私は、その切っ先をもう片方の指を押し当てました。

 少し力を入れた刃は、指の皮を簡単に引き裂いて、肉を抉って。

 指先から、血が迸りました。

 

 思考も、身体の感覚も麻痺していた私に、痛みが全身を突き抜けました。

 そして、流れ出る血を、徐に舐めて。

 口の中に広がる、鉄と生臭さを足したような、血の味。

 

 そこまで来て、ようやく私は自我を取り戻しました。

 初めに口走った言葉は、余りにも稚拙で、どこまでも切実だったことを覚えています。

 

 

 腹に刺したら、痛いよな。

 

 

 今でもすっ転んだり、家具の角に脚をぶち当てて、その度に痛いと感じていますが。

 指を自ら突き刺して、血を流しながら感じた、この時の痛みは。

 これまで感じてきたどんな怪我よりも、病気よりも、特別な痛みとして記憶に残り続けています。

 

 

 そのような、馬鹿な真似をしてまで感じた痛さなど確かめようとしないで、思い切って凶刃を突き立てれば良かったのに。

 そう思いながらも、やはり、私はいつまでも臆病でした。

 

 その臆病さがあったからこそ。

 こうしてブログを綴ることができる、今の私がいるのだと思っています。 

 

 

 

  全てが狂い、思考も歪んでも尚、痛みだけは。

 上手い表現が見つかりませんが。

 痛みは、空になった私を満たして。死に向かう私を止めていました。

 

 その後、私は決して冷静になった訳ではありませんでした。

 自ら命を絶とうとしたことに対して、戒めることも。

 涙を流すようにして、死に損なったことを嘆くようなこともなく。

 

 包丁を戻しながら、ただひたすら思うのでした。

 自分は、死のうが消えようが構わないと思う気持ちは変わりませんでした。

 

 死のうとすることは、いつでもできる。

 でも仮に自死した後の処理の方が、大変で面倒になると思いながら。

  それ以上に。

 私が勝手な思いで死を選ぶことで、身内に迷惑を掛けることになることになる。

 その方が、死ぬことよりも

 ずっと、辛い。

 

 時刻は、日付を跨ぐ間際となっていました。

 私は自嘲と情けなさを溜め息として吐きながら、眠れもしない寝床に就くのでした。

 

 

 

 

 うつ病と診断されて

 

 

 

 死を自らの手で迎えようとして、結局できなかった私は、出社後も仕事をまともにこなせる状態ではありませんでした。

 

 ここまで来てようやく、精神科に受診しようと決意しました。

 

 

 イジメの時もそうでしたが。

 まさか、自分が精神をおかしくして、精神科に行くだなんて、と。

 

 

 しかし未遂ながらも、前夜に自決を選んだ私は、死ぬことを怖がるよりも。

 次に同じことをした時には、本当に身内に迷惑を掛けることになりかねないということを、何よりも恐れていました。

 

 自ら死を選ぶことで、自分だけは安楽を手にして、この腐った世の中にさよならできたとしても。

 ただひたすら、自分のことで身内に迷惑をかけたくない。

 その思いだけが、私を生かしていました。

 

 そしていざ、受診した心療内科で診断を行った結果。

 

 気分障害であること。

 その中でも、絶えることのない不安や興味への損失を伴い、不眠や抑うつを示す「うつ病」と診断されました。

 

 初めて受診した後に処方される薬は、抗うつ薬、抗不安薬や入眠導入剤という、これまで馴染みのないものばかりでした。

 この時はまだ、それぞれの薬品がどのような効果を示し、その代償としての副作用を齎すのか知ろうともしないまま。

 

 ただひたすらに、異動後から抱え続けた不安と不眠を解消してくれるのであれば。

 得体の知れない薬の数々を服用することに、躊躇いはありませんでした。

 

 

 

 快復しながら、次なる職場へ

 

 

 藁にもすがる思いで処方された薬を服用を続けていく中で。

 最初こそ、目立った効果は見られませんでした。

 

 副作用がなかっただけでも喜ばしいはずなのに。

 

 本当に、効いているのだろうか?

 

 という思いばかりが募っていきました。

 

 しかし数週間経った時を境に。

 落ち込んでばかりで、何に対しても興味も失っていた私は。

 少しずつ、失い続けていた思い理性や感情を取り戻し始めました。

 

 心が徐々に穏やかになって、不安も一時的にであっても掻き消してくれるだけでなく。

 何より、睡眠をより戻してくれたことは、本当に助けられました。

 眠りを欲する身体に対して、覚醒し続ける脳を。

 強制的にシャットダウンさせる。或いは無理やりブレーカーを切るかのようにして眠りに就くことができたことが、嬉しくて仕方ありませんでした。

 決して褒められるようなものではないと言われても、喩え自然な眠りでなくても。

 休息を得られる手段を見つけられたことで、私は救われました。

 

 それと同時に、これまで無関心であった精神科が処方する薬剤に対して興味を持ち始め、私はネット上に広がる知識を元に自ら知識を蓄え始めました。

 

 

 時を同じくして、少しずつ快復し始めた私は、異動命令を受けました。

 それは兼ねてより願っていた、地元の職場に戻れる異動でした。

 

 

 異動を切っ掛けとして、最初こそ救いの手を差し伸べてくれた心療内科ではありましたが。

 そこは受診者の意見を受け止めるようなことはなく、飽く迄主治医の判断だけで処方する薬が決めるという、半ば事務的に処方箋を出しておりました。

  受診する身として、意見するのも烏滸がましいと思いながらも。

 異動にあたり、通うことが難しくなったという理由を元に、セカンドオピニオンを申し付けて。

 

 十年弱が過ぎようとしている、現在の心療内科に通院するようになっています。

 

 

 

 痛みから、伝えたい

 

 

 一度自害しかけた私は。

 

 あの時に、一度死んだ。

 

 そう自負しながら、妥協と惰性と諦めを積み重ねながらも、何とか生きています。

 生きることに。生存本能が希薄な私ではありますが。

 

 

 今この瞬間、同じような症状に抱えて。辛くて苦しみながらも、生きている人たちに。

 もしくは、閉塞感が日に日に強まる毎日に疲れて。何かしろの身体や精神の変化に戸惑い、生きることに絶望しかけている人たちへ。

 

 痛みというものを全身と心で味わって、それでも今ブログを綴っている私が、私なりの思いと言葉で申し上げたいことがあります。

 

 

 まず一つ目にして、一番大切なこと。

 自分について、良く知ることです。

 眠ることについては、普段の睡眠のサイクルがどのようなものなのか。

 食事で言えば、いつもならどのタイミングでどれだけの量を食べているのか。

 意識しなければ気にすることのないことですが、私としてはここがとても大切になってくると思っています。

 

 人間誰しも、落ち込んだり怒ったり、不安になることはあります。

 そういう時は、気持ちだけでなく身体も必ず何かしらの反応が出てきます。

 先程申し上げたことに当てはめた時、例えばイライラしてついヤケ食いやヤケ酒してしまった。反対に落ち込むばかりに、何も食べたくないと食事量が減った。

 眠りに関しても、不安でたまらなくて寝付けない、真夜中なのに何度も目が覚めてしまう。逆に眠くて仕方なく、目が覚めたら昼をとうに過ぎていた。

 

 これらは一過的なストレスに対して揺らいでしまった心を守ろうとする、身体の防御本能によるものであると考えています。故に普段から逸脱した生活習慣に陥ったとしても、それらの行為を行うことでいつも通りに戻れるのなら、私は変に心配する必要も自己嫌悪する必要はないと思っています。

 

 

 問題なのは、そういった身体の変化がいつまで経っても元に戻らない時です。

 目安としては2周間以上生活習慣の変化が変わらないと言われていますが、私は1周間続いたら危険であると思っています。

 それだけ、心と精神はダメージを受けて、身体が「このままだと危ないぞ」と悲鳴を上げているはずです。

 

 

 理性や心よりも、身体は正直です。

 

 

 私の場合は、食欲に顕著な変化が出ます。

 唯でさえ食べる量が少なく、外食で定食を頼むような時は、「ご飯を半分で」と頼む位えです。

 これが会社ないしプライベートでストレスを感じ続けた時、真っ先に食欲がなくなります。

 いつもの食事事情と明らかに違うことがわかった瞬間、「ああ、このままだとマズいな」と判断して、薬の量を調整したり主治医に電話相談するようにしています。

 

 

 些細で繊細な変化な場合もあり、最初は気付くことが難しいかもしれません。

 ですが、どうか。

 自分というものの食生活や睡眠を知った上で。そこから違和感を覚えていつまでも続くようでしたら、可能なら「風邪をこじらせました」と嘘を言ってでも会社や学校をお休みしたり。

 抵抗はあるかもしれませんが、心療内科や精神科に電話相談でも構わないと思います。

 気の問題や一時的なものだろうと決して決めつけないで、ご自身の身体が発する悲鳴を無視するようなことはなさらないでください。

 

 

 もう一つは、もしうつ病を始めとする心の病を患ってしまった時。

 心の病と「闘う」のではなく、「許容して共存」するという意識が大切になってくることです。

 

 精神疾患と言うとネガティブな印象が強く、現に社会でもネット上でも「甘えだ」などと非難したり白い目で見られる現代です。

 その為に、「精神を病んだ自分は、心が弱いんだ」「こんなストレスにも耐えられないなんて、ダメな人間だ」と自己嫌悪したり自暴自棄になることは多々あります。

 

 私も、その一人でした。

 

 ですが、そうなるまで身体と精神を削って、折れそうになっても踏ん張り続けたことで、心が蝕まれてしまった。

 それだけ、必死に生き抜いてきた証なのだと思います。

 限界を超えて、これ以上踏ん張ったら本当に死ぬことになる。それを食い止める為に、身体と精神をダウンさせることで心を死なせないようにしている、最後の防御反応。

 それが心の病であると、私は思っています。

 

 私は元々、「頑張る」という言葉が嫌いです。掛けることも、掛けられることも大嫌いです。

 ですが、ここでは書かせていただきます。

 

 喩え心を病んだとしても、身も心もボロボロになるまで、頑張って生きてきて。

 それでも、病気を患っても頑張って生きている。

 時には、闘うことも必要になります。ですがそれ以上に、そうやって懸命に生きるご自身を。

 

 

 もう頑張らないで、今は、休む時なんだ。

 ここまで、よく頑張ってきたね。ありがとう、自分。

 

 

 そのような言葉を、ご自身に掛けてください。

 

 必死に、生きるという道を歩き続けたことに、疲れてしまったご自身を。

 思い切り抱きしめて、寄り添って。

 受け入れがたく、困難なことですが。

 もしまた、一度快復しても再発した時に、絶望しないように。

 心の病気を敵視しないで、最後に自分を守ってくれたものとして、共に歩んで行くことを、どうか恐れないでください。

 

 

 

 身体と心から血を流して、痛みを感じて。そこから得たものを糧にしながらも生きている、私からの思いです。

 

 

 

 

 今回も御閲覧くださり、ありがとうございました。

 それでは、また次回まで。

 

 

 

f:id:Rayleonard-00:20200405201555j:plain