心の欠片を拾い集めて-中- ~抱えた気持ちを吐いて、感情を吐露して~
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暦は七月、暑さがどうなるか懸念していましたが、今のところ蒸してはいますが気温は若干控えめな日が続いております。
引き続き、熱中症には気を付けて参りたいですね。
はい皆さん、こんばんは。【やさぐれ紳士】白兎です。如何お過ごしでしょうか。
今回は前記事の続きを綴って参ります。
硝子の如く砕け散り、へし折れた心。
数ヶ月に渡る心理療法と、親友と過ごした時間によって、私という存在を再び見つけ出し再構築できた、そんなお話しです。
親友への連絡はしかし、またしても私の身勝手で
想いを言葉にし会話するという行動を苦手とする私にとって、独特とも言えるカウンセリングは確実な効果を齎しました。
それが功を奏し、復職も近い内に可能というお墨付きも頂戴することができました。
そんな折でした。
唐突に、ある方に久方振りにお会いしお話ししたいという思いが込み上げ、私を支配しました。
人間関係が長続きしない私に、出会って以来飾らず優しい声色と言葉で兄のように接してくださった親友、たーぼぅさんに。
しかし、私はまたやらかしました。互いの事情で疎遠になりつつあった相手にアポ無しで、唐突に「お会いしたい」と連絡を取るという愚行を犯しました。
当然、突然の連絡は彼を不満にさせ怒りを買うこととなりました。
結局、私は何も変わっていない。思考や理性を無視した思い付きでの行為。幾ら想いが膨らみ人恋しさを覚えても、失礼極まりない行動は許されるはずがない。
親しき仲にも礼儀あり。自分自身が掲げている理念に反することを、自ら破る私は。
最低でクズだ。
最終的にたーぼぅさんの器の広さと寛大さに救われる形で再会を約束してくださいました。
にも拘わらず、これが切っ掛けで縁が切れても……などと勝手な思いが脳裏を過っていました。
話の発端たる、最悪でクズな私の中には申し訳無さと後悔だけが残って。
当日を迎えることになりました。
凍り付いた心が溶けていく瞬間を、この身で感じて
久しく訪れた伊豆の地。私の胸中は懐かしさを感じながら、複雑な思いに支配されていました。
出会いを約束していただいたものの、どんな言葉を受けるかもそうでしたが。
プライベートにおける人間関係に大きなヒビを入れ軋轢を生むこととなった地に近いその場は、見慣れたはずだった景色一つ一つが呼吸を止めることになっていました。
それに。
人と対峙し幾度となく縁を切り切られを繰り返した私が、大切だと勝手に思っている相手に、本当に会って良いのだろうか。
焦燥と悔恨を携えながら、それでもたーぼぅさんは来てくださいました。
しかしながら出会って早々、視線を合わせることも叶わず、掠れた私の声は彼に伝わりませんでした。
経緯については、たーぼぅさんの記事にて。
申し訳無さの塊となり文鎮化した私は、たーぼぅさんの御母様と共に下田公園へ向かいます。
この記事を投稿する頃、地元でようやく咲き始めた紫陽花が、そこでは満開で景色を彩っていました。
紫陽花は根を張る土俵のphで色が変わる、という話は何となく知っているつもりでしたが、ワインレッドの如き色の紫陽花を見るのは初めてのことでした。
それだけでなく、棚田の如き起伏の大きい大地に力強く花を咲かせる、色取り取りの紫陽花たち。中には人の背丈を優に超えるものも数多くありました。
一時は人間関係の破綻に起因し、一眼レフカメラも持つことにさえ恐怖し触ることもできなくなっていましたが。
同じ紫陽花、然れどそれぞれの色を誇らしげに咲き乱れさせる姿と。
降雨予報が幸運にも外れ、直前まで降り注いだ雨粒を陽光が反射させより華麗さを増して。
シャッターを共に切るたーぼぅさんと、その先で朗らかに笑う御母様と行動を共にすることで、私の中で蔓延っていた負の思いはすっかり消え去っていました。
視界の隅々まで咲き乱れる花々だけではなかった、と今は言うことができます。
彼には、別の意味で色々とお叱りを受けるかもしれません、が。
抱えた気持ちを、積もり積もった想いと感情を吐き出して
休職ですっかり足腰が弱った私ではありましたが、紫陽花の花々を見届け昼食を挟み、御母様と別れたーぼぅさんとドライブすることとなりました。
柔らかな曲調流れる車内。久しさを感じながら、始めは他愛もない雑談が包み込みます。
然れど、時間が経つに連れ。
何時の間にか、私はそれまで抱えていた気持ちと、感情を吐露していました。
詳細は、お話しできないことをお許しください。
起こった事柄の詳細、その時の思い。当時周りにいた誰にも話さなかったことで発展した、決裂と絶縁。
特段聴いてほしい、という思いはなかったのは本当です。でも、一度口に出した想いも感情も、止まらなくなって。
決壊したかのように、誰にも言うまいと決意し理解されなくても構わないと心の奥底に無理やり押し込んで鍵を掛けてまで仕舞い込んでいた全てが。
止まらなくなって、止めたくても言葉は止むことはありませんでした。
私一人の責任とされても良い。そのことで他の人が今まで通り、楽しめる状況が壊れないのなら。
私が罪を被って、消えれば良い。本気でそう信じて、実行したのだから。
正直なところ、件の界隈には戻れないし戻りたくないと諦めていました。
私の話が全てではありませんし、脚色づけていると言われても何も言えない。
弁明と捉えられたくないという身勝手な思いもありました。
何より。
話したところで信頼や関係の回復は出来ないし無理だし、したくないと意固地になっていた自分もいました。
加えて家庭環境が崩壊している私には、譬え仕事でもプライベートでも身内に話をするという選択肢は端からありませんでした。
誰だって同じ、皆そうだから。そうやって片付けられて過ごし続けた私は、話すことも諦めていました。
だって、無駄だから。
一般論を翳して諭されたところで、私の気持ちなんて理解しようとも汲もうともしなかったから。
血の繋がりがあったところで、家族と括られることを忌み嫌って憎んですらいたから。
でも。
そんな馬鹿で不器用でどうしようもない私に、たーぼぅさんは嘆きつつも共感してくださいました。
最初こそ自嘲気味に話し、言葉を悪くすれば笑いたければ笑えよと自暴自棄になっていた私に。
それでも寄り添ってくださった、たーぼぅさん。
いつしか止めどなくなった心が、感情も思いも。
寂しさも憤りも切なさも虚しさも、全て抑えが効かなくなり止まらなくなっていました。
私のその様は彼曰く、千と千尋の神隠しのワンシーンと表現していました。
その頃だった、かな。私もすっかり緊張も負い目もなくなって、自然と笑っていました。
尚止まらない思いは、カラオケで発散する流れとなり、予定時間を延長し歌い終えた頃には宿泊先で寝床に倒れ込んでいました。
抑え込んでいた全てを吐露して、すっかり安心し切った私は、何時の間にか眠りについているのでした。
今回のお話し、上下二編で綴るとさせていただきましたが、三部構成へ更に変更させていただきたく思います。
今回も最後までご閲覧いただき、ありがとうございました。
それでは、また次回まで。