白兎と雪狼の、果てなき旅路

ドライブやドライブや写真撮影を趣味とし、その他、HSPやAセクシャル、イジメ。精神的・心理的なことについて綴っていきます。

【車・趣味】今年最後の大旅行 ~伊豆大島上陸、そして帰路へ~

スポンサーリンク

  関越道で数十時間に及ぶ立ち往生。各地で大雪。そして12月とは思えない冷え込み。

 今シーズンの冬は、これまでのそれとどこか違う何かを感じさせます。

 自宅付近でも氷点下二桁を記録し、会社に行くことはおろか、布団から這い出るのがやっとの思いだった【やさぐれ紳士】白兎です。

 

 

 皆さん、こんばんは。如何お過ごしでしょうか。

 

 

 ジェットフォイルが奏でる音響を背景音としながら、伊豆大島へと渡った私たち。

 そこは天然の城壁とも呼べる断崖絶壁と、潮の香りが漂う、どこか懐かしささえ感じさせる町並みが広がっているのでした。

 

 今回は初となる伊豆大島に上陸し、短いながらも離島で過ごした時間。日常生活では、山国では味わえない海の町ならではの空気と時の流れを綴りながら。

 今年最後の大旅行を、締めて参ります。

 

 

 

 

 

 切り立つ大地と風が生み出した、海風と共に生きる伊豆大島

 

 ジェットフォイルを降り、伊豆大島の地を踏んだ私たちを待っていたのは、沢山の観光客。そして、切り立った大地と風が生み出した伊豆大島の絶景でした。

 

f:id:Rayleonard-00:20201221201942j:plain

  

f:id:Rayleonard-00:20201221201000j:plain

 

 自然が創り上げた、まさに難攻不落と言っても過言ではない程の断崖絶壁。緑に囲まれ和らいでいるとはいえ、来るものを拒むかのように聳える岩肌。この島に住む方々や自由に飛び回れる海鳥以外は受け付けない、厳かな空気が吹き付ける風と共に伝わってきました。 

 

f:id:Rayleonard-00:20201221201608j:plain

 

  反対側を見渡すと、そこには海が広がるばかり。遠くに本州が見えるとは言え、山に囲まれた地に生まれ育った私には絶海の孤島にすら思えるような情景でした。

 

 遅めのお昼を摂る為に歩き出した私たち。品川ナンバーの車が行き交うこの地が、伊豆の名を持ちながらも東京都の一部であることが、何とも不思議な感覚を齎します。

 微かに雨粒が降り注ぐ町並みは、古き良き時代を表現しているかのようでした。潮風に晒され傷んだコンクリート製の家屋、錆びついたトタンの屋根。その随所に植えられた木々や花々が昔と今を繋いでいるかのようにさえ見え、発展した都市部にはない温もりを伝えてくれました。

 

f:id:Rayleonard-00:20201221201508j:plain

 

 

 時間の制約もあり、徒歩で移動できた距離は僅かでした。それでも、喩え一部であっても伊豆大島の町をこの目で見て、肌で感じることができました。

 

 少し困ったのは、ここは漁業が盛んな町だったこと。魚介類が食べられない私には、名物の魚介をふんだんに使用した料理を出してくれるお店ばかりで、少々難儀しました。

 

 結果、港近くの5F建てビルにして船客待合所の中にある「minatoにぎわいテーブル」で食事を摂ることになりました。

 

 

 

 船の発着場の屋上で、海風と共に伊豆大島の空気に触れながら

 

 

 2019年にオープニングセレモニーが執り行われた船客待合所は、津波の避難所にもなる広いスペースを有したゆったりとした建物です。地上の1階部分は船のチケット売り場兼待合所。2階はお土産売り場で3階がレストラン、4階部分が津波避難スペースにして展望エリアとなっていました。5階は関係者以外立入禁止区域です。

 

f:id:Rayleonard-00:20201221201725j:plain

 

 静岡県の伊豆半島から一時間足らずで東京都に立っているのが、新鮮な雰囲気を齎してくれます。

 

f:id:Rayleonard-00:20201221201812j:plain

 

f:id:Rayleonard-00:20201221201839j:plain

 

  名所も沢山あり、余裕があればレンタカーを借りて、島を一周したいと思いながら、遅めの昼食を頬張ります。この日はご飯が食べたかったので、炒飯を注文しました。

 

 

 旅行に行ったならその地の名物を食べてきたかと、よく聞かれます。(主に会社で)

 毎度のこと私の答えはNoなので、大概「勿体ないな」「上手いもん喰わないなんて、人生損してるぞ」と言われます。

 

 正直、私にとってそれはどうでもいいことです。

 私が旅をするのは、行ったことのない場所の空気や景色に触れることの新鮮さと喜び。再び訪れた際には懐かしさを抱きながら、前回訪れた時との差異を -気温や気候など- を肌身で感じ、目で、音で、匂いで感じる為であることが主です。

 旅の楽しみ方は、人それぞれ。極端な言い方をすれば、自分が満足できる楽しみ方をできればそれで良いのです。

 

 話は逸れましたが、食事を終えた私たちは、帰りの船を待つ時間を使い観光客が立ち入れる最上階の展望エリアへと足を運んでいました。

 

 海鳥たちの鳴き声が木霊するその場所に出て、私たちは写真撮影と会話に華を咲かせました。

 コロナ禍でなければ、恐らく展望エリアも人だかりができていたであろうその場所を、ほぼ独占していました。

 私とたーぼぅさんの会話が、静かに交わされます。

 

 コロナ禍のこと、仕事のこと。互いの健康のことや、趣味のこと。

 そして今年は、これで最後の旅行になること。

 それが、なんとなく漠然としながらも、どこか寂しい気持ちになりつつある私の思いを吐露していました。

 湿っぽいのは苦手な私ではありますが、そんな私に、たーぼぅさんは傾聴してくださいました。

 

 それが、どれだけありがたくて。頼もしくて、嬉しいことだったか。

 

 私には血の繋がった兄がおりますが。

 血は繋がっていないとしても、もう一人の兄として慕いたい。この人に甘えたい。

 もっと、傍にいたい。

 

 そんな軟弱で、甘ったれた思いすら込み上げていました。

 

 それはともかく、思いを言葉にできなかったことを悔いる一方で。

 無理に捻り出す必要もないのかな、などと思う自分がいました。

 

 展望エリアの端にある手すりに肘を付き身体を預けながら、そやって思い感じている自分の気持ちは、何物にも変えられない真実であり事実であることが、わかったのだから。

 

 

 伊豆大島を離れるまでの時間は、あまりにも短くて

 

 カメラのシャッターを切ることに、会話に夢中になっている間にも、早くも帰りの便にして熱海行き最終便の船に乗り込む時間が迫ってきました。

 

 たーぼぅさんの声を聞き、海辺へと目を向けると。

 

 

f:id:Rayleonard-00:20201221202137j:plain

 

 帰りに搭乗するジェットフォイルが、荒れる波を掻き分けて「翼走」してきました。よく見ると、先端にある翼と呼ばれる部分が立ち上がって海面を飛ぶかのように船体を浮かせています。

 

f:id:Rayleonard-00:20201221202223j:plain

 

 船が行き去った後方の水面が白く波立ち、ジェットフォイルの翼走により「切り裂かれた」とも呼べる跡のようにも見えます。

 港に近付くに連れて。

 

f:id:Rayleonard-00:20201221202247j:plain

 

 翼部分が格納され、通常の船と同じ姿へと様変わりしていました。

 乗船中は見ることができない、ジェットフォイルの変形とも呼べる機構を捉えることができ、「変形は浪漫」と思いながら。海上を時速80キロで進む為に熟考され洗練された技術を前に感嘆の声を出すことしかできませんでした。

 

 伊豆大島を離れる時間がやってきました。滞在時間はたったの数時間でしたが、本州から離れた東京都であるこの地の空気に触れて、また一つ知らぬ場所をこの身を持って踏み込めたことと。

 その帰りの船内で、ジェットフォイルが吼えながらも奏でる音色を背景に、すっかり値落ちしてしまいながらも。

 もう一度、今度は時間に余裕を持ってゆっくり回りたい。そんな決意のようなものを、夢現で思いながら。

 

 

 大旅行の終わりは、青空と共に

 

 眠気眼で起きた私が状況把握した時には、船が熱海港に着岸手前のところでした。

 凝り固まった身体をほぐそうと伸びている内に、ジェットフォイルは無事着岸。今回の船旅の終わりを告げました。

 

 港を後にした私たちは軽い夕食を摂り、談話を重ねました。

 話は、いつまでも尽きませんでした。

 しかしながら、(私は船内で寝ていながらも)双方ともに疲労を隠せなかったことに加えて、翌日のことを考慮し早めに解散することといたしました。

 

 車をメインにする旅としては最長となる、3箇所目のホテルまで送ってくださったたーぼぅさんに感謝の言葉と頭を深く下げながら、私たちは別れました。

 

 来年こそ、コロナ禍が解消され自由に旅を満喫できることを。さらなる旅路を共にできることを、胸の中で静かに願いながら。

 

 

 宿泊地に着いてすぐ、倒れるように寝入った私の意識が現実に帰ったのは、翌朝でした。

 ホテルでの朝食を堪能し、私は8時前に相棒と共に伊豆の地を後にし出立していました。どこか後ろ髪を引かれるような思いに駆られたのは、きっと気の所為ではないと思いながら。

 

 その道中、燃料補給しつつ休息の為に立ち寄ったコンビニから。

 

 

 

f:id:Rayleonard-00:20201221202344j:plain

 

 晴れ渡る富士山の勇姿と青空を拝むことができました。

 

 その後は休憩を挟むことなく、地元長野まで愛車と共に駆け抜けていきました。3連休明けの道は空き、愛車を駆る喜びを噛み締めながら。

 長野に入る頃には、伊豆の地より10℃近く冷えた空気が、私と相棒を待ち受けているのでした。

 

 

 三泊四日の旅。

 まだ20代前半で体力のある頃は、京都を五泊し名所を巡ることもありましたが、今の相棒と共に旅するようになってからは初めてとなる大旅行となりました。

 

 新型コロナウイルスが蔓延し、満足に外出もできずに終わりそうだった2020年。車のオフ会や伊豆大島への渡航という、私としては大旅行と呼べる程の旅を経ることで鬱屈を覆しました。

 

 同時に、数年前は人に会うことさえ嫌っていた私が。

 この記事を綴る今では、寧ろ人に会い話をしたいとさえ思えるようになった自分が不思議に思うと共に。

 車に会えたことで。恩人と思える人に、仲間と思える人たちに出会えたことが、私の生き方そのものを変えてくれたのだとしみじみ感じています。

 

 

 過去にどれだけ深く、抉られるような傷を負っても。

 人は変わることができるということを、この身体と精神で、思い切り感じています。

 

 来年は、マスクなしで。思い切り笑い合える出会いと交流を、切に願いながら。

 今回の旅でお付き合いくださった、たーぼぅさん始め。車仲間に、初めてお会いした方々に、この場を借りて深く御礼申し上げます。

 

 

 今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

 それでは、また次回まで。