【車・趣味】早春の東北へ ~2021年、旅の始まり~
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すっかり陽が伸び、街が夜の灯りに染まる時間が少しずつ遅くなりつつあります。
そろそろ春の陽気に向けて、重ね着を徐々に少なくしていこうと考えている今日この頃。
と言うよりも、暖房の効いた室内や電車内で汗をかくという醜態を晒すことが多くなった、というのが正直な私です。
はい皆さん、こんばんは。【やさぐれ紳士】白兎です。如何お過ごしでしょうか。
新たな代理、(見た目はともかく)狐をモチーフにしたキャラクターをお披露目させていただきました。
狐、可愛いですよね。細身でありながら尻尾はモッフモフ。見かけたら抱きつきたくなる衝動に駆られます。
そんな私の欲はさておき。
先月のこととなりますが、東北への旅行へと行って参りました。
約3ヶ月ぶりとなる旅。旅行することさえ非難の対象となりつつある時世の中、「見知らぬ地へ行きたい」という思いが燻り続けておりました。
そのような最中、東北へ、宮城への旅路を提案してくださったブログ友にして盟友「たーぼぅ」さんと共に赴いた冬の険しさ残る旅路。
また一つ、否、それ以上に多くの思い出を残すものとなりました。
今回から複数回に別けながら、残雪と新雪が交じる宮城。
そして県を跨ぎながら名所を巡った時間を、綴って参ります。
一度諦めた、宮城のとある場所に募る思い
今回の旅行に際し、実は少し前に一人旅行を計画していました。
それは宮城県にある、とある場所。
コロナ禍によって車関係のイベントが軒並み中止される中、抑えきれない好奇心と衝動から一人旅も厭わないとホテルの手配まで行いながらも。
私の住む長野からは片道4時間掛かる長旅。仕事の余裕を見ながら調整しながらも、余りの余裕のなさから断念する結果を齎しました。
それから早半年。
年明け早々から、東北への旅行を再計画する運びとなりました。
一度頓挫した私の計画を知っていた「たーぼぅ」さんは、私の思いを汲み取ってくださりながら。
同時に行きたい場所がある、ということで意見が一致。晴れて久方振りとなる旅路に臨むこととなりました。
昨年の新潟旅行の時と同じ、倉賀野駅にて合流し、片道約4時間のドライブ、開始です。
地震が発生した数日後に訪れた宮城
然れど、懸念することが起きました。
福島県沖を震源地とする、最大震度6弱の地震が予定日の数日前に起きたのです。
東北新幹線の一部区間が運休する程の被害を被った他、常磐道も通行止めとなるにまで、事態は深刻でした。
幸い当日は高速道路も復旧が終わり、道中は滞りなく進路をひたすら北へすすめることができました。
そして、辿り着いた宿泊地。ビジネスホテルというよりもシティホテルといった趣で、リニューアルしたてでとても綺麗で厳かな印象でした。
がしかし、建物の壁の一部が剥がれ落ち、屋内の至る所にひび割れが走っていました。
地震が齎した脅威が、如何に凄まじいものだったか。それを物語らせ、見る者に想像させるには容易い程でした。
しかしながら、ホテルのスタッフの方々は、旅の浮かれ気分で来訪した我々を温かく迎えてくださいました。
こんなこと、言ってはならないのかもしれませんが。
人間不信をこじらせ、人を信じ頼ることが今でも中々できずにいる私には。
ホテルの方々の、東北の方々の寛大で温もりに溢れた言葉と声色。
私にとってどこまでも温かくて、心地好くて。
それでいて震災にも負けない芯の強さと優しさを兼ね備えている、そんな感情を抱かせるのでした。
私には、とてもできない。
そんな人を想う姿を目の当たりにし、私も私なりにできる精一杯の挨拶を返しながら。
二泊三日お世話になる、ホテルにチェックインするのでした。
松島を遊覧、の予定が
翌朝目覚めた私は、着替えを済ませ一服をしに外に出ました。
今回の旅の拠点、蔵王白石付近は晴れていました。
この蔵王という地名が、後程私に思わぬ形で降り掛かってくることなど、この時は知る由もありませんでした。
それはともかく、紫煙を吐きながら肌に受ける冷たい風の中に、微かな春の暖かさと草、土の匂い。春の訪れを感じるひと時。
薄っすら見える蔵王山は、恐らく雪が舞っているのであることを思わせるような、白く霞んでいました。
朝食を終え、この日目指したのは仙台市の少し先、宮島。
実は宮城県は会社の出張や車のイベントで何度か訪れた地でした。ですが観光を楽しむ余裕はほとんどなく、業務やイベントに時間を取られて宮城の地を満喫するのは、これが初めてのことでした。
いざ、東北を楽しむ旅路のスタートを切ります。
高速道路を用い時間を節約し、降り立った松島。
ここでは遊覧船に乗り、松島付近を船で一周し写活に挑む。
その予定が、頓挫することとなりました。
コロナ禍の影響、そして先日の地震の影響、そして観光客の減少。様々な影響からか、遊覧船の運航を休止していることが発覚したのです。
遠目に拝む松島を目の前に、落胆する私たち。
然れど、唯で引き返すつもりはありませんでした。
遊覧船乗り場から移動し、より松島を始めとする島々を一望できる場所へ移動。
船旅を楽しめなかったことは残念以外の言葉が見つかりませんでしたが、移動先の駐車場から撮影会を開催します。
まずは相棒Lupusを記念撮影。本来茶に近い色味を帯びた車体が、雲に覆われた天候からか灰色地味た顔色を見せてくれました。
逆光ではありましたが、中々映える相棒の姿に惚れ惚れする親バカ精神に浸りながら。
次は松島一帯に向けてカメラを構えます。
沿岸部は山間に近い丘と海。山国育ちで海を知らない私には、海は何度見ても新鮮です。
どれが、松島なんだ?
各浮島に名前が付けられた一帯、どの島がどんな名称なのかもわからぬままシャッターを切っていきます。
唯一、目立つ赤塗の橋である福浦橋と、その先にある福浦島に目標を絞って撮影再開。
見た目や構造は違えど、どこか渡月橋を思わせる、海を跨り伸びる橋。
空の白、海の青、島の緑。そこに存在感を誇示するような朱。
自然が齎す色と、人工物の組み合わせ。個人的には現代アートのような無理に創ったものよりも、違和感なく存在するこのような情景の方が好みです。
暫く風景に耽っていると、橋を渡っていくご夫婦の姿が。
カメラを向けた瞬間に、悟ったかのように一度こちらを向かれてしまいました。
悟られた?などと思う私をさておいて、人物を撮ることが苦手かつ好まない私には。
仲睦まじい男女の姿を主体としながら、手を加えられずに遥か昔から残り続ける自然の情景。
船に乗れなかったことは悔いるにしても、十分松島を、海に浮かぶ島々を堪能させていただきました。
これにて松島の撮影会を終えることとなりました。
そして再び相棒に乗り、次なる地へと向かい車を走らせるのでした。
初戦から名残惜しい思いに浸ることとなりましたが、東北の旅は、まだ始まったばかり。まだ見ぬ先に、どんな風景が待っているのか。
車内で語り合いながら、私たちは次の目的地を目指します。
今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
それでは、また次回まで。