白兎と雪狼の、果てなき旅路

ドライブやドライブや写真撮影を趣味とし、その他、HSPやAセクシャル、イジメ。精神的・心理的なことについて綴っていきます。

【車・趣味】早春の東北へ ~狐はコンコン、実際は?~

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  久方振りに氷点下を観測した長野。愛車のフロントガラスは冷たい氷に覆われ、一歩外に出るとひたすら「寒っ」と意図せず口走る程でした。

 衣替えも難しい、難儀な季節です。

 

白兎3

 

 

  はい皆さん、こんばんは。【やさぐれ紳士】白兎です。如何お過ごしでしょうか。

 

 神秘的でありながらどこか懐古的な温泉街を堪能した翌日。

 東北の旅の締めとなる、かつて頓挫した目的地へと向かい愛車を走らせる私たち。

 そこは動物園とも違う、野生と本能のまま生きる動物たちの楽園でした。

 

 今回は早春東北の旅の最後にして、計画性のない私が我儘半分で訪れた地を。

 日本全国でも珍しい放し飼いをしている、初めて対峙したキツネたちの楽園について、綴って参ります。

 

 撮影した写真が多い為、複数回に分けて記事にいたしますこと、どうかご容赦願います。

 

 

 

 

 

 狐たちが悠々と過ごす、蔵王キツネ村

 

 

 前日の疲れも癒え、迎えた朝は小雨が降り降りていました。

 土とアスファルトが混ざり合う、酸っぱいような泥臭いような、独特の匂い。

 大地を湿らせ潤す、小気味よい雨音。

 どうやら私は、本当に雨の雰囲気が本当に好きなようです。

 

 紫煙を吐き煙草を吸い終え、朝食を終えるまで少しバタバタするハプニングに見舞われながら、ホテルを後にする私たちは最後の目的地に向かい走り始めました。

 

 以前一人で行くことを断念し(代わりにその時は、Loftとコラボした「BEASTARS POP-UP SHOP」で限定品を買いに行きました)、今度こそ計画し願いを叶える為。

 日本各地にある動物園でも多少飼育されながらも、あまり引き立て役として紹介されない、狐たちが自由気ままなに過ごす場所。

 

 数多くの狐たちが放し飼いされていると有名で、ある意味他の場とは異なる形で動物と触れ合うことができる、蔵王キツネ村。

 

 山道を行くこと数十分、我々を迎えたのは。

 

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 ……何故に、ゴリラ?物凄くフレンドリー、いや無駄に熱い歓迎の言葉を放ちながら。

 狐メインなのに、ゴリラなの?どうして?何で?裏側には「制作費○百万」なんてリアルな事情が書かれていましたし。

 

 園長さんの趣味なのか、悪ふざけか。私とたーぼぅさん、二人揃って吹き出すのを堪える衝撃的なお出迎えでした。

 

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 そしてこの看板です。

 

 うん、言いたいことはわかる。わかるけどさ。

 来園者が苦情でも言ったのでしょうか。

 

 兎にも角にも、何ともキナ臭い場所かもしれないな、という思いを抱かずにはいられませんでした。

 

 しかしその実は。

 内園して、全てが払拭されることとなりました。

 

 

 

 

 

 

 モフモフ毛並みの狐たちの、自由気ままな姿

 

 

 日本では神や使い魔として崇拝される一方で、西洋では「狡賢さの象徴」「人を騙すことが好きな生き物」と、若干嫌われ者として見られる、狐。

 文化の違いによって真逆の捉え方をされる、イヌ科の動物です。イヌ科でありながら瞳孔は猫のように細く縦長という所も特徴です。

 

 それ以上に、狐と聞いて真っ先に思い浮かぶもの。

 狐という生き物を知れば知るほど、結び付いていると言っても過言ではない、エキノコックス症という感染症です。

 

 詳細は省かせていただきますが、万が一人間に感染した場合。

 処置を誤れば肝機能障害を引き起こし、死に至るという恐ろしいものです。

 

 この目で、狐に会いたいという思いがありながら、エキノコックスの存在を以前より知っていた私には懸念材料の一つでありました。

 

 しかし蔵王キツネ村は人工繁殖をしており、定期的に動物病院と連携して検査を行うことで、感染症の元凶たる寄生虫であるエキノコックスを駆逐しているとのことでした。

 娯楽施設の一つである動物園において、リスクを徹底的に排除する姿勢は園内の看板に数多く示されていました。

 

 ひとまずの安心を得た私は、飼育員の方から諸々の注意を聴き、狐たちが過ごす地へと足を踏み入っていきました。

 

 そこには。

 

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 モフモフとした毛並みに身を包み、動き回ったりお昼寝を堪能する数多くの狐たちが伸び伸びする情景が広がっていました。

 園内はこんがり狐色、というよりも金色と呼んで差し支えない毛並みのアカギツネが無数に、のんびりと過ごしています。

 

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 撫でるを通り越して、思い切り抱き締めたい。

 

 欲望塗れの私とは対称的に、どこか悟ったかのように目を瞑っているかと思えば。

 

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 半開きながら、その瞳はどこまでも遠くを見透かしているかのように凛と、鋭さを秘めていました。

 

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 ニヒルな笑みを見せるその顔は、野生ならではの強さからか。

 

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 睨みを効かせる様は、或いはヒトを殺めることなど容易いと、ヒトなど相手にしない余裕さか。

 

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 一瞬一瞬で形相を、行動を変えながら。

 自由気ままであり、然れど刹那を懸命に生きる狐たちは。

 癒やしを齎しながらに、何にも流されない姿を見せてくれるのでした。

 

 

 

 鳴き声は「コンコン」と表現される狐、でも実際は?

 

  閑話休題。

 

 唐突ではありますが、「狐の鳴き声と言えば?」と問われた時。

 皆さんはどのような答えを出すでしょうか。

 

 

 子狐「〇〇」、山の中。

 

 

 童謡にあるようにもありますね。

 

 恐らく、多くの方が「コンコン」とお答えするかと思います。

 犬は「ワンワン」、猫は「ニャーニャー」、狐は「コンコン」。

 私も狐を生で拝むことがなく、実家近くの稲荷神社があることも相俟って、狐は「コンコン」と鳴くものだと幼少期から信じていました。

 

 では、その実は?

 まずはこちらの写真をご覧いただければと思います。

 

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 本能の赴くままに、相手を威嚇し敵意を剥き出している二匹。一触即発です。

 

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 別の二頭も、同じように牙を剥き出し声を張り上げていました。どこかのホラーゲームに出てきそうな形相をしていますが……。

 

 さておき、両者とも臨戦状態にある中。共通でありつつ、これまで聞いたことのない声を出していました。

 

「カッ!カッカッカッカッカッ」

 

 争い直前の狼煙、と呼べば良いのでしょうか。

 相手を睨みつつ己の闘争心を掻き立てている。

 自身を鼓舞している。そうとも捉えることもできる声。

 

 唯ひたすらに眼前の敵を威圧し制圧しようとする、本能の塊。

 

 そして。

 

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 「キューンっ!!キュンキュゥンっ、キュゥゥウンっ!!!」

 

 犬と猫の鳴き声の中間を行くような、高い波長ながらも勇ましい闘争本能をぶつけ合う声が響き渡りました。

 

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 生きる為の、本能を戦う力に変えているかの如き咆哮。

 

 放し飼いにされているとは言え、目の前で繰り広げられる命のやり取り。

 

 狐はモフモフで可愛い。

 そんな思いは、人間である私が勝手に抱いた思いに過ぎなかったことを思い知らされました。

 

 命を繋ぐ為、生きる為、子孫を残す為。

 手段を選ぶことなく、全力で立ち向かう狐たちを目の当たりにした私が思ったこと。 

 本能のままでありながら、でもしかし決死の覚悟を持って生きる狐たちは。

 

 美しくて、高貴な存在だ

 

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 眼前の狐たちの生き様を、姿を、惚れる思いを抱えたまま見据え続けていました。

 

 

 今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

 それでは、また次回まで。