白兎と雪狼の、果てなき旅路

ドライブやドライブや写真撮影を趣味とし、その他、HSPやAセクシャル、イジメ。精神的・心理的なことについて綴っていきます。

【仕事・価値観】電気通信事業者として ~知らないことに付け入る汚さと不誠実さ~

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 全国で新型コロナウイルスの再拡大が連日報道されています。季節の変わり目か、或いは気の緩みか。いづれにしても、このままでは年末年始に大きな制約が課せられることになりそうな予感がしています。

 新型コロナウイルスによって、これまでの多くの慣習が見直されて。新しい生活様式、ニューノーマルという言葉の浸透と共に普段の過ごし方を見直す切っ掛けとなりながら。

 ここに来て、そのストレスの反動が出始めていることと。鬱憤をかつての生活慣習によって晴らしたいという思いが再燃しているのではないかと思えてならない【やさぐれ紳士】白兎です。

 人との(特に見知らない人や多人数での)交流が嫌いな私には、コロナ禍の生活様式の方が性に合っていて大歓迎だったりします。あまり声を大にして言えることではありませんが。

 

 

 皆さん、こんばんは。如何お過ごしでしょうか。

 

 

 以前お話ししたかもしれませんが、私は電気通信事業に従事しております。

 情報通信を実現する為のネットワークを構築し、契約者に利用してもらう為のサービスを提供しつつ、有事の際は修理や保守までを受け持っています。

 

 そんな折、実は以前よりブログ友であり盟友である「たーぼぅ」さんから相談を受けておりました。

 内容は「光回線を使っているのに通信速度が遅すぎる。酷いと3Mbbsしか出ない」というものです。

 

 原因は経験則でなんとなく想定できましたが、どうやら契約事業者の対応が酷すぎて埒が明かないとのこと。かれこれ一年弱揉めているとのこと。

 

 

 今回赴いた、那須高原の旅。それは動物たちとの触れ合いや紅葉を巡るだけでなく、別の目的がありました。

 実際にその業者と私が直接話をし、実態を把握すること。そして依頼主の通信環境を改善する為に、可能な限りの働きかけを行うことでした。

 

 それは、ちょうどオオカミと出会う旅の終着地である宿泊地。サンバレー那須におけるチェックインを終え、部屋に入り落ち着いた時でした。

 

 そしていざ、掛け合ってみると。

 同じ電気通信事業者としてあり得ぬ程。あまりにも杜撰で場当たり的な応対を目の当たりにすることとなりました。

  

 

 今回は情報基盤を担う通信事業に務める者として、契約者が詳しく知らないことをいいことに適当を通り越したいい加減な対応をしていることを目の当たりにして。

 料金を頂戴している身でありながら、それに見合う対応もできない業者に怒りを覚えたと同時に失望したこと。

 そして、相手が知らなければ適当なことを言って責任転嫁するような汚さと不誠実さをこの耳で聞いたことで、事業者として私なりにあるべき姿があるだろう、と思ったことを綴って参ります。

 

 

 ※注記※

 本記事では個人情報や事業者が特定されないよう細心の注意を払いつつ、内容を綴っていきます。

 また人によっては汚らしいと思う表現が含まれます。

 そのような表現が苦手、もしくは嫌悪感を抱く方は、誠に勝手ながらお引取り願うと共にブラウザバックを推奨させていただきます。

 この注記を以て、内容に対する批判や中傷するコメントは一切お受けいたしませんことを、予めご了承ください。

 申し訳ありませんが、何卒ご理解とご容赦をお願いいたします。

 ※注記終了※

 

 

 

 

 

 

 電気通信事業者の果たす役割と責務

 

 始めに、何やら堅苦しい用語で固められている電気通信事業者というものを、私なりに簡単にご説明いたします。

 

 電話やインターネットといった、現代ではなくてはならない通信業の中でも、特に有線に特化したサービスを提供する事業者のことを指します。別の言い方をすれば、一戸建てやマンションで固定電話を使ったり、インターネットを使う為に工事を行ったり、故障の際は訪問して修理を行う仕事です。

 この業界は独占禁止法を始め、電気通信事業法という、聞き慣れないかもしれませんが事細かく通信事業のあり方を定め個人情報保護だけでなく。(細かすぎるので省略しますが)通信の安全を確保する上で不可欠な不正アクセス行為の禁止にも抵触しかねない業務を行っています。

 厳しく国によって管理されている業界です。

 しかしながら普段使う電話やインターネットだけでなく、110番や119番といった緊急回線を常に確保するという責任を背負っています。

 そして、昨今増えている自然災害や加害事故の際は一刻も早く現場へ急行。第一に通信の確保を最優先とし、避難所や待避所に避難されて来た方々に外部への通信を逸早く確立。その後は既存の設備を順次直しながら、不安に暮れる方々と寄り添いながら通信が回復することを辛抱強く待つ。

 

 東日本大震災や北海道胆振東部地震。昨年の台風19号による水害。上げれば切りがありませんが、そのような災害時にも派遣する人材を揃え、長期に渡る復旧活動と終わりの見えない恐怖と対峙しながら、通信を途絶えさせてはならないという責務と共にここまで歩んで参りました。

 

 

 長々と難しい用語を並べて参りましたが。

 簡単に纏めると、縛りは多いけどネットワーク主体の現代を支える人たちであって。

 スマートフォンに押されがちだけど電話やインターネットが使えるように日々運用や保守を行っている業種。

 だけど災害で通信基盤が陥落した時でも、被災地と全国を結ぶネットワークを迅速かつ確実に創り上げて、孤立することを防いでね。

 それが君たち、電気通信事業者だよ。

 

 といった感じになります。

 

 私はその中でも、情報通信を担う根源である、基地局と呼ばれるビルに集約された設備の運用・保守を行う仕事を行っています。

 

 

 ざっくりしたご説明ながらも、平時でも緊急時でもあらゆる通信手段を絶やさない。

 それが、私たち電気通信事業者です。

 

  

 

 友の悲鳴に応えたい、でもそれ以前に通信事業者の問題なのは明白だった

 

 

 しかしながら。

 那須高原という地で取り合うこととなった、友が契約する業者は。

 先述した責任と守らなければならない業務遂行さえ投げ出すような、無能さと不誠実さに塗れていることを知ることとなりました。

 

 

 今回の相談内容は、インターネットの通信速度が極端に遅過ぎること。そして固定電話さえ繋がらなくなるというものでした。那須高原で会おう、という数ヶ月前から相談を受けておりました。

 

 これは通信事業から見れば余りに致命的なことです。

 

 一応インターネット、特に一般ユーザー(個人契約)と契約する上で、必ず説明されることがあります。

 それは「理論上は○○Mbbs出ますが、混雑時はそこまで速度がでないかもしれませんがごめんなさい、でもご了承くださいね」というものです。

 これはベストエフォート型という方式になりますが、「頑張るけど速度が出なくてもごめんなさいね」というものです。

 

 その証拠に、どの通信事業者もインターネットの契約プランではこぞって「10Gbbs」や「1Gbbs」といった超高速通信を実現しています。

 

 実はここに落とし穴があります。

 そう、飽く迄それは「理論値」であって「実測値」ではないことです。

 

 インターネットだけでなく、SNSやニュース専門アプリが配信される現代において。仮に通信速度が極端に遅くなっても、契約者からすれば簡単に相談や通信毒度の低下を究明する為に原因究明を申し込むことを難しくしています。

 

 何故なら、理論値は理論値。建物の立地条件や利用ユーザー数によって、日々通信速度というものは変動してしまいます。

 喩え、原因がどこにあるかわからなくても。

 

 このことは、 通信事業者からすれば体の良い物言いができることを意味します。

 

 調査はします。

 お使いのお宅の方が、問題なのではありませんか。

 努力はしているんだから、我慢してくださいよ。

 

 そんな甘ったるい対応は、契約者でありユーザーである人を簡単に陥れることができます。

 契約書に書いてあるんだから。

 

 ですが。

 

tabouaxela.hatenablog.com

 

 この度相談を受けた内容は、明らかにそのような適当な内容で解決できるものではないと直感していました。

 

 根拠は持っていました。

 それよりも。

 同じ電気通信事業者として、利用するユーザーを嘲笑うかのように。もしくは、知らないことをいいことに誤魔化せるだろうという思いが、隠す気もなく見えていました。

 

 確かに、気の置けない友からの依頼でした。私もその依頼を受け、当初から考えられる原因の憶測と対応を考え続けていました。

 そう。

 依頼主との親密さと、通信事業者としての考え方は別物として来ました。

 

 そして、その時はやって参りました。

 

 

 

 問い合わせに対してまともに応えようとすらしない不誠実な態度の業者

 

 これから述べる内容は、専門用語や技術的なことは省略いたしますことを、予めご了承ください。

 

 始めに契約者である友人がカスタマーセンター、別名で言えば故障修理受付部門に電話を入れました。

 

 「現在電話が大変込み合っています。暫く時間を置いて掛け直すか、このままお待ち下さい」

 無機質なアナウンスが続くこと、十数分。これは現実的に十分あり得ることなので、ひたすら相手が出るのを待ちます。

 

 ようやく、担当者が対応してくださいました。これまでの経緯を説明する友、しかし返答は相変わらずということで相当苛立っている様子でした。

 

 「IPv6の設定が未設定です、まず設定してください」

 

 とのこと。私は溜め息を吐きました。

 

 事前に伺っていた情報によると、元々最大200Mbbsの速度が出る光回線の契約とのことでした。月々払う通信料金も、安いものではありません。

 何より、一昔の先進技術として流行ったADSLでも、最大48Mbbsの速度を出すことが出来ます。今で言えば、WiMAXと同等の速度です。

 

 それが、たった3Mbbsしか出ないとのこと。動画再生もままならない遅さです。

 

 私は直感しました。これは技術云々ではなく、回線を提供する側に問題がある、と。

 

 私は、基本的に会社や社会に対して不誠実な碌でもない人間です。会社に尽くすこともお偉いさん方との交流も、下らない余興であり金と時間の浪費と考える程です。

 

 然れど、こんな私でも腐っても電気通信事業者。温い文言で言い逃れなどさせないと心に決め、友から受け取った電話に応対しました。

 カスタマーセンターなら、自社が提供しているサービス内容は少なくとも熟知しているだろう。手始めに、まずは提供している通信の内容を問うことで探りを入れ始めました。

 

 が、しかし。

 電気通信事業者なら通づるだろうサービス内容や対応方法を問うた途端。

 

 電話を一方的に切られてしまいました。こちらはスマートフォンでの通話、操作誤りなどありません。

 

 ……ほぉ。取次誤りかどうかはわかりませんが、(第三者である私が介入しましたが)対応そのものを一方的に切るとは。

 

 そこでたーぼぅさんも私も、一気に殺る気に満ちました。

 

 いい度胸だ。良いだろう、徹底的に問い詰めてやる。

 客が神、という考えは個人的に嫌いですし論外と考えています。

 

 しかしこれは、度が過ぎるあるまじき対応。

 

 再度電話をするも、相変わらずの無味な電子案内。それでも、私たちは待つことにしました。

 どれだけ時間が掛かっても、構わない。だが次は、安易に逃げるようなことは許さん。

 

 たかが顧客だと、舐めるよ。

 

 胸中で煮えくり返る思いを留めながら、待つこと30分。

 担当者が変わったのか、一から説明させられることとなった友が苛立つ様を見ながら、私に電話が取り次がれました。

 

 飽く迄冷静に。

 しかし先程の一方的な遮断に始まり、全ての状況を掌握するまで、この通話は切らんぞ。

 

 

 

 お金をいただいて通信を提供している、その自覚すらないのか

 

 

 マイクの向こうから聞こえてきたのは、気怠そうにする声。

 如何にも面倒な客が来たなぁ、と言わんばかりの声色でした。

 

 まずは状況把握。苛立つ心を抑え、提供サービスから現状までを慎重に聞いていきます。

 私が持ち得る知識を引き出し、大凡の内容を把握。

 

 ですが、非常に残念なことに。

 私は感情任せに怒ったつもりは毛頭ありません。誠意を見せろ、などといった精神論に至ったつもりもありません。

 

 飽く迄、技術的なこととカスタマーセンターとしての対応について言及したに過ぎません。

 それを、「はい」「あ……はい」と言うばかり。

 

 苛立つことはあってもキレることは滅多にない私は、理論武装した上で詰るようにしてキレる程でした。

 

 はいはいとこちらの話を聞くことが、電気通信事業者の役割か?違うだろうが。

 

 別に対応者を責めるつもりはありませんし、至らぬ点を逆手に金を返せなどという短絡的な話を、こちらはしたい訳ではありません。

 単純に、通信状況を改善して欲しい。それだけのことです。

 それを面倒そうにわからない、答えられないなら「別の者と電話を変わります」ことすら言えないのか?

 それで一端の電気通信事業者の肩書を背負っているなど、笑わせる。

 

 これは駄目だな、と思いながらも。

 対応策をこちら側から敢えて提言します。

 

 インターネット網との架け橋を担う業者(通称プロバイダ。略称ISP)と。

 回線そのもの、つまり物理的な光回線などを提供する業者は異なることがあります。

 中には手続きの煩雑さを解消する為に双方を同時に担う業者も存在します。

 

 今回の場合は前者、相手は飽く迄ISP。回線そのものはどこかの事業主から借りていることが判明しました。

 この場合、ISPは利用者から故障や速度遅延といった相談が寄せられた際、回線提供主

に基地局から提供先までの障害状況を確認することが可能です。

 

 そこをピンポイントで問い質したところ。

 

 「回線貸し出し側で障害がある、とのことです」という返答をいただきました。

 

 

 ん?あれ、そんな情報、今まで出して来ましたか?

 そちらは飽く迄、利用者側の不備をアドバイスするかのように、言い訳してきたのですよね。

 

 それがここに来て、大本に問題があると申し上げますか。 

 ふぅん、左様でございますか。なら、こちらにも考えがあります。

 

 

 

 知らないことは罪?否、それを説明して納得していただくのが通信事業者の仕事だろう

 

 

 あのですね、とわざとらしく電話口で思わず私は零していました。

 「それは今わかったことではありませんよね」

 「何故顧客に説明せず、こちらの問題として処理しようとするのですか?問題があったなら、説明することなんて当たり前のことですよ」

 「いい加減な対応しておきながら、こちらがお話しすれば状況把握できていますよね。どうしてそれができないのですか?」

 「詳しいことがわからないユーザーだからこそ、きちんと説明をしてくださいよ。何のためのカスタマーセンターなのですか。クレーム処理ではなく、通信サービスを維持継続するのが、お仕事ですよね。いい加減な対応は、お客さんの信頼を失いますよ?」

 

 行き過ぎた、と後から反省しましたが、感情を抑え切れませんでした。 

 どうやら私は、本気でキレると頭の血がたちまち下がっていって、冷静になって。

 自分なり、ではありますが。事実を鑑みながら正論をまくし立てるように論じ、相手が納得しようがいまいが「違いますか?」と締め括ることを、改めて自分を知る機会ともなりました。

 

 この時点で激白し過ぎたことを実感した私は頭を冷やすべく部屋を後にし、煙草を吸う為に外へと趣きましたが。

 部屋を後にするドアの向こうで、たーぼぅさんに怒りに満ちた怒号が飛んでいました。

 

 煙草を吹かしながら、そうなるのが普通ですよ、という思いと共に紫煙を吐き捨てていました。

 

 たーぼぅは、決して悪くない。

 

 何ヶ月もユーザー側に責任を押し付け、それで言い逃れてきた契約元がどうしようもない事業者ということを、この耳で、この身で知ったのは紛れもない事実です。

 

 

 結局のところ。

 お金を、料金を頂戴しているという自覚がまるでないことを知ってしまいました。

 昨今モラルの問題として、客が神とする勘違いしている御仁が話題になりつつあります。

 

 今回は、その逆を行っていました。

 利用料金を貰えていれば、後のことはどうでも良い。クレーマーなんて適当にあしらっておけ。嫌なら解約すれば良い。

 

 

 違うでしょう?

 頂戴しているお金相応の対応をするのが、事業者の仕事です。契約できれば良い、など以ての外です。

 電気通信は、とても複雑な構成をしながらも、サービスをを展開しています。

 

 別に、仕様から何まで伝えろとは申しません。

 ですが最低限、困っているユーザーに寄り添って解決まで歩んでいくのが、事業者としてあるべき姿なのではないかと思います。

 

 少なくとも私は。

 

 この悶着で旅が、オオカミと出会う旅が台無しになりかけましたが。

 後日、通信状況が解消されたことを聞き、この度の騒動は解決に至りました。私も首を突っ込んだ手前気が気ではありませんでしたが、相談を受けた手前、役目をを果たせたのかなとほっと胸を撫で下ろすのでした。

 

 お金を頂戴すること。そこには相応の自覚と然るべき対応が求められることを胸に刻みながら。

 

 

 今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

 それでは、また次回まで。 

 

 

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